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アジア通貨・金融危機,および中国の台頭

理論・実証分析

アジア通貨・金融危機,および中国の台頭
著者 青木 浩治
ジャンル 経済学
出版年月日 2009/10/15
ISBN 9784862850676
判型・ページ数 菊判・382ページ
定価 本体6,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第I部 アジア通貨・金融危機の経済分析

第1章 対外債務の双曲線――アジア通貨・金融危機からの一教訓
(対外債務の双曲線仮説/双曲線仮説の実証分析/結論/補論 データの出所)
第2章 危機後のマクロ経済調整――縮小的通貨切り下げと経常収支不均衡調整
(危機後のマクロ経済調整/実証分析:韓国の事例/結論/補論1 数学注/補論2 データの出所と変数の作成方法)
第3章 通貨・金融危機とファイヤーセールFDI――韓国のケース
 (ファイヤーセールFDIの理論/実証分析:韓国の事例/結論/補論 データの出所)

第II部 中国経済の国際化と国内経済統合

第4章 中国の対内直接投資と市場ポテンシャル―― 新経済地理学による分析
(中国の対内直接投資/実証分析の枠組み/対内直接投資の決定因/結論/補論1 中国の省・市別市場ポテンシャル・集計価格指数の計測/補論2 在中国外資企業の生産・輸出データ/補論3 データの作成方法・出所一覧)
第5章 対内直接投資と地域の成長および格差――地域成長会計による接近
(直接投資と地域の成長/直接投資と地域格差/結論/補論 データの作成方法,および出所)
第6章 地域分業構造の変容と域内市場効果
(中国の地域工業分布のトレンド:分散から集中へ/理論枠組みと実証分析の方法/推定結果/結論/補論1 数学注/補論2 データの出所)
第7章 地域間人口・労働力移動と市場ポテンシャル
(中国の地域間人口・労働力移動/理論枠組み/推定/結論)
第8章 水平的財政不均衡と政府間財政調整――地域間財政力格差のUターン?
(中国の財政改革と税収返還制度/中国の地域間財政力格差とその要因/結論/補論1 省別税収返還の推計/  補論2 1993・94年の地方補助および上納支出の推計)
第9章 外国為替市場介入の金融波及メカニズムと実質効果
(簡単な開放マクロ経済モデル/中国の不胎化操作と国内金融市場動向/構造VARによる実証分析/結論/補論 通貨当局の国外資産データの調整)

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内容説明

1997年のアジア通貨・金融危機とその急速な終息,そして2001年のWTO加盟を機に台頭した中国経済。これら一連のアジアのダイナミックな経済現象は,1985-95年の円ドルレートの大幅な変動と,1995-2007年のITと住宅ブームによるアメリカ経済の繁栄という二つの国際環境を背景にして展開した。
本書は考察対象に即して理論モデルを構築,最新の分析手法を駆使した画期的な実証研究である。
第Ⅰ部「アジア通貨・金融危機の経済分析」では韓国を中心に危機の火種とその蓄積を対外債務の双曲線により分析,さらにその後のマクロ経済調整としての縮小的通貨切下げの効果を示すとともに,直後に発生した対内直接投資ブームの原因を解明する。
第Ⅱ部「中国経済の国際化と国内経済統合」では〈グローバル化と地域の成長〉という視点から躍進著しい中国経済を考察する。グローバリゼーションのもたらす潜在的機会とその影響を対内直接投資の動向から分析し,改革・開放後の国内経済統合の実態を地域間分業構造と人口・労働力移動を通して明らかにする。さらに都市農村格差問題に関わる所得再分配機能と外国為替市場介入の金融波及メカニズムにも独自の分析を展開し,中国経済の課題を展望する。

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