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四枢要徳について

西洋の古典に学ぶ

四枢要徳について
著者 ヨゼフ・ピーパー
松尾 雄二
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2007/04/30
ISBN 9784862850089
判型・ページ数 菊判・308ページ
定価 本体4,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

徳とは何か?――ヨゼフ・ピーパーの「徳」論の理解のために(稲垣良典)

第Ⅰ部 思 慮
1 枢要徳のなかで第一のもの
2 現実在を知ることと善の実現
3 境界の線引きと対照
4 思慮と愛

第Ⅱ部 正 義
1 権利[当然の持ち分]について
2 他者と負い目・責務
3 正義の優先順位
4 正義の三つの基本的な形
5 均等になるように調整することと「元どおりにすること」
6 配分の正義
7 正義の限界

第Ⅲ部 勇 気
1 序 論
2 死ぬ覚悟ができていること
3 勇気はみずからを信頼してはならない
4 持ちこたえと攻撃
5 三つの勇気(生命的,倫理的,神秘的)

第Ⅳ部 節 制
1 言葉の問題
2 無私無欲の自己保全
3 貞潔と邪淫
4 純 潔
5 断 食
6 触 覚
7 謙 遜
8 怒りの力
9 目の欲にたいする節制
10 節制の結ぶ実

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内容説明

20世紀で最も卓越したキリスト教哲学者の一人である著者(1904-97)が,トマス・アクィナスの解釈を踏まえてヨーロッパの伝統的な徳論の全体像を見事に描いた名著の翻訳である。
ヨーロッパの伝統を貫く四つの枢要徳である〈思慮,正義,勇気,節制〉は,キリスト教の対神徳〈信仰,希望,愛〉とともに,ヨーロッパの思想文化と人々の行動規範を根底から支えてきた。
とくに「為すべき事柄についての正しい理性」である〈思慮〉は,行為を真実の認識に従わせ,意志が真理にもとづいて善を選び,実践することを可能にする徳である。思慮は他の三つの徳の生みの親であり,思慮ある人だけが,正しい人,勇気の人,節制の人である。
「徳」を行為の領域に限定する傾向があるが,それでは不十分であり,「人間であること」の全体を視野に入れ,真実の人間存在や理想的な人間像を明らかにする人間学でなければならず,もし「徳」が人間の「存在」から切り離されたならば道徳主義に陥らざるをえないことを警告する。

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