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エコマルクス主義

環境論的転回を目指して

エコマルクス主義
著者 島崎 隆
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2007/04/30
ISBN 9784862850096
判型・ページ数 菊判・296ページ
定価 本体3,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序論 《エコマルクス主義》とは何か?

第Ⅰ部 マルクス主義の《環境論的転回》
1 《環境論的転回》はどのようにして生じたのか?
2 環境問題のなかで,いまマルクスをどう見るのか?――A・シュミットとH・イムラーの所説をめぐって
3 マルクス唯物論における物質代謝概念
4 われわれにとって《自然》とは何か?

第Ⅱ部 「自然は人間の非有機的身体である」をめぐる論争
――《エコマルクス主義》とアメリカ左翼
1 クラークのマルクス(主義)批判
2 「自然は人間の非有機的身体である」の予備的考察――マルクス『経済学・哲学手稿』に関して
3 マルクスの《自然弁証法》は成立するのか?
4 フォスター/バーケットのクラーク批判――論争の第1ラウンドの終結
5 クラークの再批判とサレーの介入
6 フォスター/バーケットのクラーク,サレーへの再反論
7 論争の総括

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内容説明

焦眉の現実問題である自然環境の危機をどのように思想的に根拠づけるか。また社会主義の崩壊後,徹底した批判を伴いつつ,社会変革につながるマルクス思想をどのような方向で再生するか。
著者はマルクス主義の〈環境論的転回〉を通してこれら二つの課題に応えるためエコロジー的マルクス主義の新たな視点から問題の核心に挑む。
マルクスの自然史と人間史を合わせた発展史観は人間主義と自然主義を統合するものであり,それは実践的唯物論を貫徹することにより,環境思想へと開けてゆく豊かな可能性を秘めている。
多様に展開されるエコロジー思想を詳細に検討するとともに,必ずしも正当な評価を受けてこなかったエンゲルスの『自然弁証法』を再解釈し,社会と自然の物質代謝を総合的に分析,環境問題を社会と自然の両面から統合的に捉えることにより対処療法的な環境保護を超えて,あり得るべき自然と人間と社会との相互関係を探求した問題作。

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