ホーム > エックハルト ラテン語著作集 V

エックハルト ラテン語著作集 V

小品集

エックハルト ラテン語著作集 V
著者 エックハルト
中山 善樹
ジャンル 哲学・思想 > 中世哲学
シリーズ エックハルト ラテン語著作集
出版年月日 2012/09/15
ISBN 9784862851390
判型・ページ数 A5・384ページ
定価 本体6,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに

命題集コラチオ
1294年の復活祭にパリで行われた説教
主の祈りの論考
聖アウグスティヌスの祝日にパリで行われた説教
パリ討論集
三部作序文
「シラ書」第24章第23―31節についての説教と講解
弁明書

あとがき

このページのトップへ

内容説明

本巻は初期から晩期に著された八点の小品集である。
初期の三作品は従来アウグスティヌスの影響下にあるものとして評価しない傾向があったが,むしろエックハルト思想の萌芽とも言うべき活き活きとした思想が脈打っているもので,正当な評価が必要である。
『パリ討論集』はとくに第一討論「神において存在と知性認識は同一であるか」に対し「神は知性認識であり存在ではない」として問題視されたが,内容は興味深く斬新で,新たな解釈が期待される。
『三部作序文』は一部しか伝えられていない大作『三部作』の全容の構造を素描したもので,エックハルトの基本的意図を知るために欠かせない作品である。
『シラ書の説教と講解』はラテン語説教の中でも白眉であり,聖書の言葉に触発された彼独自の思索が展開し,円熟期の思想を知るうえで貴重な作品である。
『弁明書』は最晩年に異端の嫌疑をかけられたエックハルトが,それに答えた極めて重要な書である。そこでは彼の思想の精髄である神人合一の説が自身の口から,論難する者どもに,委細を尽くして語られた。「神の子ら」とは神の恩寵によって養子にされることで,人間が神になるのではないこと,また「異端」とは誤りを犯すことではなく,矯正に応ずることなく誤りに固執することなどが主張されている。今後,本作品を読まずにエックハルト思想を語ることは出来ないであろう。本邦初訳。

このページのトップへ