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平和なる共生の世界秩序を求めて

政治哲学の原点

平和なる共生の世界秩序を求めて
著者 加藤 信朗
ジャンル 哲学・思想
政治
出版年月日 2013/06/30
ISBN 9784862851581
判型・ページ数 4-6・212ページ
定価 本体2,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はじめに 政治哲学の確立を求める
第一章 政治の原点としての哲学――いま日本の哲学に求められているもの
Ⅰ 哲学は政治に無用か,政治は哲学に無縁か
Ⅱ 明治期における哲学の移入
Ⅲ 思想と哲学
Ⅳ 哲学の政治への関わり
第二章 公共性――ギリシャ政治哲学の原点
Ⅰ ヘラクレイトスの『断片』
Ⅱ 「公共性」の観念の歴史的基盤
Ⅲ 「プロタゴラス説話」――人類の成立史
Ⅳ アリストテレスの『政治学』
第三章 「理想国(ユートピア)」論への視座――三大著作の収斂点をめぐって
I これまでわが国で『国家』篇と訳されてきたPoliteia の意味について
Ⅱ 『ポリテイア』篇(Politeia)と『法律』篇(Nomoi)
Ⅲ アリストテレスの『政治学』(Politica)
第四章 共生――自然の内における共生・東アジアからの声
Ⅰ 「共生」という問題
「共生」という言葉について/「共生」にかかわる二つの視点/ヨーロッパ中心主義の終焉/「文明の衝突」の問題
Ⅱ 人間の自然(=自然の人間)の回復・理性の回復――東アジアからの声
三つの世界地図/神との和解――理性の回復,人間の自然の回復
第五章 報復の正義と赦しの正義――共生の正義を求めて
序 共生の正義を求めて
地球化時代としての現代/現状 01・9・11以後/報復の正義と赦しの正義という主題
Ⅰ 価値の構造
「評価」について/「ただしさ(正・義)」とは何か/共生の正義とは何か
Ⅱ 報復の正義と赦しの正義
「報復」と「赦し」/「報復」と「ただしさ」/「赦し」と「ただしさ」
おわりに 自然の内に生きる――政治哲学の原点を探る
Ⅰ 哲学とは何か
Ⅱ 「人間とは何か」(その一)
Ⅲ 「人間とは何か」(その二)
Ⅳ 非対象性
「自然」について/「非対象性」について/「対象性(Objektivit?t, Gegenst?ndlichkeit)」について

あとがき/初出一覧/註

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内容説明

日本に政治哲学はあるのだろうか? 残念だがわが国には政治哲学が欠如しており,さらに深刻なのは哲学者自身がその反省意識を持たず,政治家や国民も哲学者にそれを求めてこなかったことにある。
自民党による長期政権が崩壊して20年,新しい政治と国家の未来像が見えてこない中,今こそ善き国民と善き国家とは何かを問う政治哲学が要請されている。
著者は古代ギリシャにおいて,プラトン,アリストテレスによって形成された政治哲学の真意を,『ポリテイア』『法律』『政治学』『ニコマコス倫理学』を通して簡潔に説明し,それが近代デモクラシーや政治の源泉であることを明らかにする。
科学技術の目覚ましい進展は,わが内なる自然と外なる自然に大きな亀裂を生み出している。自然との共生によって育んできたわが国の伝統文化の豊かな知恵をグローバル化する世界にいかに発信するのか。二十数年に及ぶ業績を集成して世に問う,著者渾身の一書。

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