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解釈学と批判

古典文献学の精髄

解釈学と批判
著者 アウグスト・ベーク
安酸 敏眞
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2014/05/15
ISBN 9784862851864
判型・ページ数 菊判・420ページ
定価 本体6,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

凡例/序言

序論
Ⅰ 文献学の理念,またはその概念,範囲,最高目的
Ⅱ とくに文献学に関連してのエンツィクロペディーの概念
Ⅲ 文献学的学問のエンツィクロペディーについての従来の試み
Ⅳ エンツィクロペディーと方法論の関係
Ⅴ 研究全体の資料と補助手段について――文献目録
Ⅵ われわれの計画の草案
第Ⅰ主要部 文献学的諸学問の形式的理論
〔一般的概観〕
第Ⅰ部 解釈学の理論
〔解釈学の定義と区分/解釈学の文の文献目録〕
Ⅰ 文法的解釈
1 個々の言語的諸要素それ自体の意義
2 言語的要素の連関からの語義の規定
Ⅱ 歴史的解釈
Ⅲ 個人的解釈
1 文章構成の仕方から個性を規定すること
2 個々の言語的要素についての個人的解釈
Ⅳ 種類的解釈
1 文章構成の仕方からジャンルの性格を規定すること
2 ジャンルの性格から言語的要素を解釈すること
第Ⅱ部 批判の理論
〔批判の定義と区分/批判の文献目録〕
Ⅰ 文法的批判
古文書学的批判
古文字学の文献
Ⅱ 歴史的批判
Ⅲ 個人的批判
Ⅳ 種類的批判
方法論的補遺
古代の文献学的再構成

解説 あとがき/索引

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内容説明

古典文献学者アウグスト・ベーク(1785-1867)は1809年から65年までの56年間にわたり,主にベルリン大学で文献学のエンツィクロペディーの講義を行った。文献学的学問体系を詳述した講義ノートが死後に出版され,本書ではその総論的な部分を中心に訳出した。
彼は創設されたベルリン大学に招聘され,学部長を6回,学長を5回務め,フンボルトやシュライアマハー,ヘーゲルと同時代を生き,ベルリン大学哲学部の草創期を半世紀にわたって担った。
彼にとって文献学の対象は,単なる言語や文学や言語資料ではなく,各民族の人倫的,精神的な全活動すなわち精神的発展全体とその文化の歴史であった。文献学は所与の認識や知識を再認識するもので,歴史学と重なるが,歴史認識を再認識する点において独自な方法である。ベークが遂行した〈認識されたものの認識〉としての古典文献学は,言語的モデルから歴史的モデルへの転換を意味し,人間と世界への歴史性に対する深い洞察に根ざしている。
古典文献学が広まらないわが国でベークは軽視されてきたが,人文学研究者の基本文献であるとともに,村岡典嗣の日本思想史研究の方法論に決定的な影響を与えたものとして思想史研究者の必読文献となろう。

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