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『キリスト教信仰』の弁証

『信仰論』に関するリュッケ宛ての二通の書簡

『キリスト教信仰』の弁証
著者 フリードリヒ・シュライアマハー
安酸 敏眞
ジャンル 哲学・思想
宗教
出版年月日 2015/08/10
ISBN 9784862852144
判型・ページ数 4-6・240ページ
定価 本体3,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

凡例
 第一の書簡
書簡の目的
間違った批判に対する態度
知識と敬虔の関係
依存感情についての誤解
神意識
贖罪者としてのキリストに関する逸脱
汎神論であるとの告発
神学と哲学の関係
 第二の書簡
書簡の目的
『信仰論』の再構成に関する問い
現在の構成が引き起こしたいろいろな誤解
再編成の利点
再編成をしないとの決断
自然科学によって唱えられる異議
近代の世界観にかんがみてのキリスト論
永遠の契約
歴史学によって唱えられる異議
合理主義者を教会に包摂するためのキリスト教の定義づけ
教義学的体系化の本質
教義学的命題の三つの形式
文体的な修正
序論における諸変更
教義学と哲学の言語
特殊教理の取り扱い
宗教と哲学の関係
合理主義と超自然主義の抗争

解題 シュライアマハーと『キリスト教信仰』

訳者あとがき/注/索引

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内容説明

シュライアマハー(1768-1834)は神学者,説教者,プラトンの翻訳家として多方面で活躍しながら,処女作の『宗教論』により鮮烈な感銘を与えた。それは自然理性や道徳性に還元できない宗教の独自性を弁証して,啓蒙主義的宗教観に訣別し,プロテスタント神学を方向づけるとともにドイツ・ロマン主義の宗教観を象徴した。
そのような背景のなかで彼の主著である『信仰論』(1821-22)が刊行されるや各方面からさまざまな批判が寄せられた。著者は本書の改訂に着手できないなか,多くの批判に応えるため二通の公開書簡を発表した。本書はその書簡の翻訳と注解である。第1版と第2版(1830-31)の異同も含めて,著者の意図を正確に理解するうえでも第一級の資料である。名だたる神学者たちが寄せた各種の論評に対して,誤解を糺し,あるいは鋭く反論するなど興味深い議論が展開される。なかでもシュライアマハーの教義学概念の特質と妥当性,敬虔ないし直接的自己意識と絶対依存の感情,そしてキリスト教信仰と近代的学問性の問題など,主要な課題について示唆に富む見解が示される。

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