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医学的人間学とは何か?

医学的人間学とは何か?
著者 青木 茂 編訳
滝口 直彦 編訳
ジャンル 哲学・思想 > 生命倫理
出版年月日 2006/01/15
ISBN 9784901654630
判型・ページ数 4-6・240ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

医学的人間学の根本問題(V.v.ヴァイツゼッカー)
「思い上がり」の人間学的意味(L.ビンスワンガー)
不安の人間学(V.ゲープザッテル)
精神分析に含まれている潜在的人間学(H.クンツ)
人間学的視点から見たヒステリー(W.ブランケンブルク)
訳者解題

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内容説明

かつて生死の問題は前世の因縁や神の摂理,さらには大自然の成り行きに委ねられていた。しかし現代医学は生死の機微に直接介入することを可能にし,医師は多くの選択肢,時には矛盾する選択肢から最良の治療法を選ばねばならない重責を負っている。このような状況の中で診療行為を通して医師の倫理観や世界観が問われ,あるいは何らかの判断を迫られる。これは科学の立場だけでは応えられない哲学的な観点を要請する。
医学的人間学は1930年代にヴァイツゼッカーにより名づけられ,マックス・シェーラーやフロイトを創唱者として形成された。それは個別化し,専門化する科学への批判とともに,近代の心身二元論を克服して人間を全体として捉えようとする大戦後の思想的潮流の中で,医師と患者との人間的経験である臨床医療の経験を開示し,その全体的な意味を理論化するものであった。本書はそれからほぼ半世紀にわたって展開されたヴァイツゼッカー,ビンスワンガー,ゲープザッテル,クンツ,ブランケンブルクの代表論文5つを選び,詳細な解説を付すことにより医学的人間学の全体像と今日的意義を示す。現場の医療従事者のみならず医療倫理や生命倫理に関心をもつ読者にとっても基本文献となろう。

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