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中央銀行の財政社会学

現代国家の財政赤字と中央銀行

中央銀行の財政社会学
著者 大島 通義
井手 英策
ジャンル 経済学
出版年月日 2006/07/15
ISBN 9784901654760
判型・ページ数 菊判・292ページ
定価 本体4,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第1章 現代日本における財政金融政策の諸側面――量的緩和・中央銀行の独立性・財政赤字
1-1 財政金融をめぐる理論的整理と中央銀行制度改革
1-2 量的緩和政策の影響とその歴史的地位
1-3 反転困難な政策構造の形成
1-4 結論および問題提起

第2章 1930年代ドイツにおける中央銀行の「独立」と「従属」
2-1 1930年代のライヒスバンク――「独立」から「従属」への道程
2-2 手形金融とライヒ財政
2-3 ライヒスバンクの信用政策
2-4 政府金融の〈正常化〉からライヒスバンク法制定へ
2-5 おわりに――1939年法のもとでのライヒスバンク

第3章 戦時財政における中央銀行の「独立」と「従属」――日本の場合
3-1 従属か? 合理性か? 大蔵省統制と中央銀行政策をめぐる論点の変化
3-2 高橋財政期および戦時期における政策構造――概観
3-3 財政と金融の一体化が意味するもの
3-4 1942年日本銀行法制定過程における諸論点
3-5 おわりに――1942年以降の大蔵省統制と中央銀行政策

第4章 財政社会学の視点と射程
4-1 「歴史は繰り返す」
4-2 財政社会学の提唱
4-3 財政社会学の展開
4-4 〈国家〉の再発見
4-5 財政社会学の課題と分析枠組み
4-6 おわりに

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内容説明

現代国家における財政赤字の形成過程にかんし中央銀行制度の果たした役割を,現状,歴史,国際比較の分析を通じて明らかにし,その方法としての財政社会学の有効性を示す。
はじめに1998年の日本銀行法の改正以降,法的独立性を強めた中央銀行が財政政策への関与を深めていった事実を指摘するとともに,量的緩和政策が財政政策の運営リスクを高めたことを実証する。
さらに30年代から敗戦まで日独両国における中央銀行法の制定,改正過程を比較し,法的従属,戦時財政への動員が進むなか双方の中央銀行は主体的な政策選択が可能であったという,通説とは違う事実を明らかにした。
未見の資料を駆使したこれらの分析をふまえ,制度とアクター,アクター同士の関係など,ダイナミックな相互関係が新たな制度形成を促すとの仮説を提示し,シュンペーターが「大部分は神の胎内に眠っている」と評した財政社会学の可能性を拓く。財政,金融の研究者のみならず政治学や歴史学の分野にとっても有益な一書。

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