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カッシーラー ゲーテ論集

カッシーラー ゲーテ論集
著者 エルンスト・カッシーラー
森 淑仁 編訳
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2006/11/10
ISBN 9784901654821
判型・ページ数 A5・380ページ
定価 本体6,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

ゲーテの『パンドーラ』
ゲーテと数理物理学――認識論的考察
ゲーテとプラトン
カントとゲーテ
自然研究者 ゲーテ
ゲーテの形成(教養)の理念と教育の理念
ゲーテと18世紀
ゲーテと歴史的世界
トーマス・マンのゲーテ像――『ワイマルのロッテ』についての試論
ゲーテとカント哲学

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内容説明

カッシーラーは,カントの認識批判を文化批判へと拡大し,認識論を「象徴形式の哲学」という体系的な文化哲学へと展開した。彼は1933年に亡命してから45年にアメリカで死去するまで極めて生産的な研究生活を送ったが,ドイツ本国では1994年にワイマールでシンポジウムが開かれるまで,ほとんど忘却された存在であった。
カッシーラーの文化哲学はカントを基盤にゲーテとルソーの強い思想的影響下で形成されてきた。彼はカントとゲーテをドイツ啓蒙主義の不朽の業績と称え,両者をドイツの精神的発展を方向づける二つの焦点としているが,本書はゲーテを表題とする10編を集大成し,カッシーラーがゲーテといかに関わり,彼のゲーテ論のモチベーションの本質とは何かを明らかにする。
真に創造的な哲学とは概念的に把握可能な内容とともに独自の具体的・精神的生である形態化と形式付与の力を内包していることを,カッシーラーはゲーテを通して明らかにし,ゲーテの思想世界がカッシーラーの文化哲学の理念的中心であることを示す。
「多元文化社会」としての現代にとって,彼の文化哲学の意義は改めて見直されるとともに,カッシーラー思想の新たな一面を知るための基本文献となろう。

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