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戦災復興の日英比較

戦災復興の日英比較
著者 ニック・ティラッソー
松村 高夫
トニー・メイソン
長谷川 淳一
ジャンル 歴史
出版年月日 2006/11/15
ISBN 9784901654838
判型・ページ数 A5・388ページ
定価 本体5,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

第Ⅰ部 イギリスの戦災復興
第1章 挫折した理想の評価――イギリスの戦災復興
第2章 インナー・シティの復興――ランズベリーの事例
第3章 イギリスを代表する壮大な実験――コヴェントリーの復興
第4章 保守的な復興政策の帰結――ポーツマスの事例

  第Ⅱ部 日本の戦災復興
第5章 なされなかったシステムの改革――日本の戦災復興
第6章 幻におわった理想――東京の復興計画
第7章 拒まれた現実路線――大阪の事例
第8章 戦災復興の政治問題化――前橋の事例
終章 戦災復興の歴史的意義

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内容説明

第二次世界大戦は,近代技術の粋をきわめた兵器を大量に使用し各国の諸都市に大規模な破壊をもたらした。
日本とイギリスの戦後再建期に関しては,かなりの研究蓄積があり,関心も高まりつつある。しかし戦後再建のなかで重要なテーマである戦災都市の戦後復興の歴史研究は少ない。日英両国は破壊された都市の再生のためにいかなるヴィジョンにより戦後復興を計画し,実施するなかでどのような困難に直面し,いかなる計画案を実現していったのか。両国は独創的・抜本的な復興計画を戦後再建の重要な柱として展開していった。両国の理想を追求した復興計画は政府の圧力により縮小せざるをえなかったが,計画の後退を通して,日英における重大な相違が浮き彫りにされる。イギリスでは中央と地方とのせめぎ合いがあり,日本ではせめぎ合いの余地はほとんどなく,都市計画における民主化や新しいシステム構築の欠如が問題であった。計画の作成から実施までの過程を,より広い政治的・経済的・社会的なコンテクストに位置づけ,実証的に比較・検討することにより,戦後史研究に新たなページを開く画期的業績である。
大震災などによる都市への大災害は,社会に計りしれない打撃を与える一方,都市再生の機会をももたらす。その意味でも戦後復興の実態を解明することは,将来の都市破壊に対応する上で貴重な意義をもつであろう。

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