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静岡の歴史と文化の創造

静岡の歴史と文化の創造
著者 上利 博規
滝沢 誠
ジャンル 歴史
社会・文化
出版年月日 2008/03/31
ISBN 9784862850317
判型・ページ数 A5・296ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

まえがき(浅利一郎)

静岡の歴史と文化の創造をどう考えるか(上利博規)
 はじめに/原始・古代の静岡/中世の静岡/近世の静岡/近現代の静岡

  Ⅰ 原始・古代の静岡
原始・古代の伊豆と海上の道(滝沢 誠)
 はじめに/原始・古代の伊豆半島/洞穴墓の実態/海の道を探る/おわりに
  * コラム「海と古墳」(沼津市)
遠江における農耕文化の成立と地域間の交流(篠原和大)
 はじめに/遠江地域における農耕文化の形成(弥生時代前期~中期)/弥生農耕社会と銅鐸のまつり(弥生時代後期)/地域開発と人の移動/首長の居宅と古墳時代の到来/まとめ
  * コラム「銅鐸の谷」(浜松市)
前方後円墳時代の駿河(滝沢 誠)
 はじめに/二つの前方後円墳/駿河の大型古墳/大型古墳の変遷とその背景/おわりに

  Ⅱ 中世の静岡
鎌倉幕府と伊豆の武士団(湯之上隆)
 1100年代の時代状況/頼朝挙兵/伊豆の武士団の動向/北条氏の動向/覚海円成と円成寺
鎌倉期駿府の宗教世界――静岡市八幡神社旧蔵五部大乗経をめぐって(湯之上隆)
 はじめに/八幡神社旧蔵五部大乗経の復元/八幡神社旧蔵五部大乗経成立の概要/八幡神社旧蔵五部大乗経成立の背景/おわりに
  * コラム「能と静岡」
浜松の発展と徳川家康(本多隆成)
 はじめに/徳川家康と浜松城/武田信玄と三方原合戦/高天神城をめぐる攻防/むすび

  Ⅲ 近世の静岡
幕末開港期の伊豆とロシア(松木栄三)
 はじめに/漂流民がとりもった日露関係――出会いから幕末まで/伊豆を舞台にした幕末の日露交流/おわりに
  * コラム「ディアナ号」(沼津市)
東海道と宿文化(上利博規)
 はじめに/東海道の「宿という文化」/静岡の「宿における文化」おわりに
  * コラム「駿府城」(静岡市)

  Ⅳ 近現代の静岡
遠州近代―起業家風土を検証する(山本義彦)
 はじめに/豊田佐吉の織機技術開発/鈴木藤三郎と食品工業技術/高柳健次郎とテレビ技術――日本型技術創造の組織化/本田宗一郎とオートバイ/おわりに
  * コラム「高柳健次郎とアイコノスコープ」(浜松市)
静岡の地場産業 歴史と現代――伝統産業を基盤に産業が発達した中部地域(山本義彦)
 はじめに/技術を基盤とした産業/静岡市の位置/静岡県内市別製造業の位置/静岡旧二市の事業所数構成(比率,2005年)/製茶産業の特色/静岡の地場産業――まとめ
  * コラム「慶喜邸から浮月楼へ」(静岡市)
静岡の文化とまちづくり(日詰一幸)
 はじめに/21世紀という時代とアートの力/静岡市の文化政策/「静岡市文化振興ヴィジョン」の表現に向けて/市民の文化創造活動への支援/「しずおかの文化」の再発見/むすび

あとがき(上利博規)

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内容説明

本書は原始・古代から近現代にいたる静岡の歴史と文化を紹介しつつ,未来の可能性を探求する試みである。
原始時代の静岡は海路により広範な文化圏に属し,縄文時代には山や海に恵まれ,多くの貝塚や土偶が今日発見されている。弥生時代になると西日本の文化が陸路を伝わり,銅鐸の分布は静岡県西部が東端になっている。
古墳期を迎えると大和政権が遠江に及び,大井川を境に東の「賊地」が始まり,遠江と駿河の間には東西の日本文化を分かつ境界線が見られた。律令国家体制が確立され,静岡は伊豆国,駿河国,遠江国に定められた。
鎌倉時代には鎌倉と京都を中継する役割を担い,室町から戦国期には今川氏が公家文化を愛好し駿府は小京都とよばれた。その今川も桶狭間で織田に滅ぼされる。
江戸時代は極めて重要である。一つに家康が駿府城で大御所時代を過ごした影響,二つは静岡には東海道の二十二宿があり参勤交代など東海道筋が非常に繁栄した。
維新後は,観光から漁業,茶業,木工産業が展開し,豊田佐吉やテレビを開発した高柳健次郎,革新的技術者の鈴木藤三郎に本田宗一郎など多くの起業家を輩出した。
今日,環境にやさしい産業や生活スタイルなど伝統と現代が交差する場から新たな挑みが紹介される。

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