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ヨーロッパ人間学の歴史

心身論の展開による研究

ヨーロッパ人間学の歴史
著者 金子 晴勇
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2008/06/15
ISBN 9784862850348
判型・ページ数 菊判・452ページ
定価 本体6,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序論 心身論(人間学的区分法)から見たヨーロッパ人間学の歩み

第Ⅰ部 古代ヨーロッパの心身論
第1章 古代ギリシア人における魂と身体
第2章 ギリシア哲学の心身論
第3章 ヘブライズムの心身論
第4章 キリスト教教父哲学の心身論
第5章 アウグスティヌスの心身論

第Ⅱ部 中世における心身論の展開
第1章 スコトゥス・エリウゲナにおける人間の地位
第2章 アンセルムスとベルナールの心身論
第3章 トマス・アクイナスとボナヴェントゥラの心身論
第4章 スコトゥスとオッカムの心身論
第5章 ドイツ神秘主義の心身論

第Ⅲ部 近代ヨーロッパの人間学と心身論
第1章 エラスムスとルターの人間学的三分法
第2章 デカルト学派の心身論とその批判
第3章 敬虔主義における霊性
第4章 啓蒙主義の人間観
第5章 カントとヘルダーの人間学
第6章 近代哲学における霊性の復権

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内容説明

ヨーロッパの人間学はカントにより構想され,20世紀初めにマックス・シェーラーによって組織的に構築されたが,その歩みは古代にまで遡る。
本書は古代ギリシアのホメロスから中世をへて近代哲学にいたる〈心身論〉の流れを,原典に即して思想史的に考察する。ヨーロッパの心身論を,プラトンやデカルトに代表される「魂と身体」として捉える二分法と,オリゲネスにはじまる「霊・魂・身体」とする三分法から捉え,この二つの見方が相互に交錯しつつ展開してきた軌跡を明らかにする。とくに近代哲学において霊性がいかに変容していったかという閑却されがちな問題にも光をあてる。
著者は従来,〈人間の尊厳と神の像〉〈愛〉〈自由意志〉〈良心〉〈恩恵〉など多様な視点から人間学的考察を試みてきた。本書は大学での講義を踏まえて書き下ろされ,著者の半世紀に及ぶ人間学研究の集大成であるとともに,心身論を中心にしたヨーロッパ思想史ともなっている。

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