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共同体と共同善

トマス・アクィナスの共同体論研究

共同体と共同善
著者 佐々木 亘
ジャンル 哲学・思想 > 中世哲学
出版年月日 2008/10/20
ISBN 9784862850430
判型・ページ数 A5・288ページ
定価 本体5,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序 共同体とは何か
第一部 共同体とペルソナ
第一章 個の運動と共同体
第二章 個の習慣と共同体
第三章 共同体とペルソナ
第二部 共同体と秩序
第一章 究極目的と共同善
第二章 共同体の完全性
第三章 共同体と秩序
第三部 共同体と自然法
第一章 自然法と習慣
第二章 自然法と共同善
第三章 共同体と自然法
第四部 共同体と正義
第一章 他者と正義
第二章 自然法と正義
第三章 共同体と正義
第五部 共同体と共同善
第一章 自己-他者-共同体
第二章 共同体の動的構造
第三章 共同体と共同善
結 論 トマスにおける共同体論の展望

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内容説明

「共同体とは何か」という問いは,我々にとって切迫した問題である。トマス・アクィナスの個人と共同体に関する考察を通してこの問題の本質に迫る。
人間は自らがはたらきの主として,より超越的な完全性へと方向づけられると同時に,人間の性格には社会性や共同体性も見出せる。これら個的な性格と共同体的な性格は,必ずしも調和せずに,個人の内部における対立もあれば,個と個の対立,個と共同体の対立など複層的な構造をもっている。
人間的行為とは理性によって考量された意志による行為であり,その対象は目的と善である。このような個別的な人間の集合体が共同体となるには,人間の主権を共同体にいかに位置づけるかに依っている。
共同体には何らかの共通性なり共同性が必要であり,そこには人間としての行き方にかかわる根源的な共同性,個々の人間の実在性が前提されねばならない。
著者は秩序とそれに関わる正義の観点から共同体の意味や完全性を解明すると共に,共同体と個について運動と目的,習慣の関係や,自然法と所有権の関連を通して考察する。さらに共同善の視点から自己と他者と共同体の有機的関係の全貌を明らかにする。

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