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中世哲学講義 第一巻

昭和41年―44年度

中世哲学講義 第一巻
著者 山田 晶
川添 信介
ジャンル 哲学・思想 > 中世哲学
シリーズ 中世哲学講義
出版年月日 2021/07/15
ISBN 9784862853417
判型・ページ数 A5・458ページ
定価 本体4,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

凡例
聖書略歴
山田晶『中世哲学講義』について

昭和四一年度(一九六六年)前期講義
 第一章 中世と中世哲学
 第二章 キリスト教と哲学(一)
 第三章  キリスト教と哲学(二)
 第四章 キリスト教と哲学(三)――キリスト教とヘレニズム,ヘブライズムとの関係
 第五章 キリスト教と哲学(四)――ヘブライズムの超越としてのイエスの教
 第六章 パウロと哲学(一)
 第七章 パウロと哲学(二)――律法と福音
 第八章 パウロと哲学(三)――智慧と福音
 第九章 パウロと哲学(四)――哲学と使徒
 第一〇章 パウロと哲学(五)――神秘主義と哲学

昭和四一年度(一九六六年)後期講義
 第一一章 ヨハネと哲学(一)――ヨハネ福音書の諸問題
 第一二章 ヨハネと哲学(二)――ヨハネ福音書のモチーフ
 第一三章 ヨハネと哲学(三)――キリストの証人
 第一四章 ヨハネと哲学(四)――奇蹟の意味
 第一五章 ヨハネと哲学(五)――聖霊の証明
 第一六章 ヨハネと哲学(六)――聖霊の存在の二重性
 第一七章 ヨハネと哲学(七)――神の子の存在の二重性
 第一八章 ヨハネと哲学(八)――栄光と永遠の生命
 第一九章 ヨハネと哲学(九)――神の子とロゴス
 第二〇章 ヨハネと哲学(一〇)――ヨハネ伝と哲学的諸問題

昭和四二年度(一九六七年)前期講義
 第一章 キリスト教と哲学(一)
 第二章 キリスト教と哲学(二)
 第三章 キリスト教と哲学(三)
 第四章 キリスト教と哲学(四)
 第五章 グノーシス思想(一)――その問題
 第六章 グノーシス思想(二)――ヘレニズムの諸思想におけるグノーシス
 第七章 グノーシスの意味 (一)――語源的およびギリシア古典哲学におけるグノーシス
 第八章 グノーシスの意味(二)――自覚としてのグノーシス,エピクテトス
 第九章 グノーシスの意味(三)――神秘主義のグノーシス,ヘルメス・トリスメギストス

昭和四二年度(一九六七年)後期講義
 第一〇章 グノーシスの意味(四)――神秘主義のグノーシス,ヘルメス・トリスメギストス(続き)
 第一一章 グノーシスの意味(五)――神秘主義のグノーシスとプラトンのそれとの比較
 第一二章 グノーシスの意味(六)――旧約聖書におけるグノーシス
 第一三章 グノーシスの意味(七)――ヘレニズム時代におけるユダヤ教のグノーシス
 第一四章 グノーシスの意味(八)――福音におけるグノーシス
 第一五章 グノーシスの意味(九)――福音におけるグノーシス(続き)
 第一六章 グノーシスの意味(一〇)――福音におけるグノーシス(続き)
 第一七章 グノーシスの意味(一一)――パウロにおけるグノーシス
 第一八章 グノーシスの意味(一二)――パウロにおけるグノーシス(続き)

昭和四三年度(一九六八年)前期講義
 第一章 中世哲学は存在するか(一)
 第二章 中世哲学は存在するか(二)
 第三章 中世哲学は存在するか(三)
 第四章 中世哲学は存在するか(四)
 第五章 中世哲学は存在するか(五)
 第六章 中世哲学は存在するか(六)
 第七章 中世哲学は存在するか(七)
 第八章 中世哲学は存在するか(八)
 第九章 中世哲学は存在するか(九)

昭和四三年度(一九六八年)後期講義
 第一〇章 中世哲学の地平(一)
 第一一章 中世哲学の地平(二)――近世哲学の背後にあらわれる
 第一二章 中世哲学の地平(三)――近世哲学の背後にあらわれる(続き)
 第一三章 中世哲学の地平(四)――十四,五世紀のフマニスムス
 第一四章 中世哲学の地平(五)――宗教改革と中世
 第一五章 中世哲学の地平(六)――エスプリ・ライック
 第一六章 中世哲学の地平(七)――エスプリ・ライック(続き)

昭和四四年度(一九六九年)講義
 第一章 中世哲学の基本的性格(一)――中世哲学の存在性
 第二章 中世哲学の基本的性格(二)――ジルソンの「キリスト教哲学」
 第三章 中世哲学の基本的性格(三)――イスラムおよびユダヤ教と中世哲学
 第四章 中世哲学の基本的性格(四)――ウルフソンの見解
 第五章 中世哲学の基本的性格(五)――古代哲学と中世哲学との連続
 第六章 中世哲学の基本的性格(六)――古代哲学と中世哲学との断絶
 第七章 中世哲学の基本的性格(七)――神話の非歴史性と啓示の歴史性
 第八章 中世哲学の基本的性格(八)――歴史と個物の問題
 第九章 中世哲学の基本的性格(九)――中世哲学と近世哲学との関係
 第一〇章 有りて有る神(一)――『出エジプト記』三・一四の解釈
 第一一章 有りて有る神(二)――『出エジプト記』三・一四の解釈(続き)

後記
中世哲学講義総目次
山田晶参照文献一覧
聖書索引
人名索引

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内容説明

京都大学の学部生に向けた昭和41年から58年まで18年に及ぶ「中世哲学」講義を全五巻に収録した,他に類書のない貴重な記録である。
講義は明快に語られるとともに,その都度の関心や研究成果を織り交ぜ,中世哲学の意味や意義,そして歴史的に形成されてきた中世哲学の背景など,多様なヨーロッパ中世への招待となっている。
本巻では昭和41-44年度までの4年間の講義を収載する。
「中世哲学とは何か」の関心に基づきキリスト教と哲学の関係についてパウロとヨハネを中心に考察する。またグノーシス思想の意味について,ギリシア哲学や神秘思想,ユダヤ教やパウロなどとの関係を通して詳細に分析する。
後半ではヘーゲルの歴史観を吟味しつつ中世哲学自体の存在を問うとともに,古代哲学と中世哲学との連続と断絶,近世哲学やフマニスムスと中世哲学との関わり,さらにイスラムやユダヤ教との関連,そして神話と啓示の歴史性に関する中世哲学の意義について考える。近世哲学にはない,中世哲学のもつ豊かな地平が示される。
本書は長年の研鑽に裏打ちされた山田晶教授の広範な歴史的視野と独自の着想など,若い読者だけではなく研究者にとっても示唆に富む。また講義の臨場感を味わうのみならず,本書に盛り込まれた有益な事例は現場の教員が講義を組み立てるうえでも参考になろう。

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