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アウグスティヌスの知恵

アウグスティヌスの知恵
著者 金子 晴勇
ジャンル 哲学・思想 > 中世哲学
出版年月日 2012/12/30
ISBN 9784862851444
判型・ページ数 4-6・164ページ
定価 本体2,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はしがき

1 不安な心(『告白』1.1.1)
2 恥ずべき情事の大釜(『告白』3.1.1)
3 哲学への知的回心――キケロ『ホルテンシウス』を読む(『告白』3.4.7)
4 憂愁の試練と自己認識(『告白』4.4.9)
5 神秘的直観から聞く信仰へ(『告白』7.10.16)
6 神との懸絶と自己変容(『告白』7.10.16)
7 習慣の鉄鎖による奴隷状態(『告白』8.5.10)
8 驚きあやしむ心(『告白』10.8.15)
9 良心は神の前に立つ意識である(『告白』10.3.4)
10 心の時間とは何か(『告白』11.20.26; 26.33)
11 アウグスティヌスの祈り(『告白』10.29.40)
12 三位一体のペルソナ(『三位一体』8.1.1)
13 神の像と似姿(『三位一体』7.6.12)
14 三位一体なる神との合一(『三位一体』14.14.20)
15 正義なき王国は大盗賊団である(『神の国』4.4)
16 二つの愛が二つの国を造った(『神の国』14.28)
17 愛の秩序と倫理(『神の国』15.22)
18 寄留する共同体(『神の国』15.1.2)
19 円環的な時間の突破(『神の国』12.18; 12.20.3)
20 歴史の予型論的解釈(『神の国』22.30.6)
21 幸福な生活とは何か(『アカデミア派批判』1.2.5; 4.11 と『幸福な生活』1.5)
22 神と魂を知りたい(『ソリロクィア』1.2.7)
23 哲学者の神とキリスト教信仰(『真の宗教』1.1)
24 信仰と理性(『真の宗教』24.45)
25 歴史の人類史的理解(『真の宗教』27.50)
26 内面性の二命法(『真の宗教』39.72)
27 宗教の定義,汎神論から人格神へ(『真の宗教』55.111-113)
28 享受と使用(『キリスト教の教え』1.4.4)
29 結婚の三つの善(『結婚の善』3.3)
30 類的全体としての罪悪観(『シンプリキアヌスに答えた諸問題』1.2.16)
31 自由意志に対する恩恵の勝利(『再考録』2.1.1 と『聖徒の予定』4.8)
32 「霊と文字」の意味(『霊と文字』12.20)
33 義認における宣義と成義,「神の義」の理解(『霊と文字』26.45)
34 恩恵による自由の拡大(『書簡』157.2.8 と『ペラギウス派の二書簡駁論』3.8.24)
35 受肉の神学(『ヨハネ福音書講解説教』25.16)
36 愛せよ。そしてあなたの欲することをなせ(『ヨハネ第一の手紙講解』7.8)
37 キリスト教の徳としての謙虚(『書簡』118.3.22)

あとがき
本書で使用した文献:原典の全集と著作集
「解説」を書くに当たって参照した自著一覧
アウグスティヌス略年譜

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内容説明

1500年以上にわたりヨーロッパの思想と文化に多大な影響を与えてきたアウグスティヌス。彼の膨大な著作群の中から,思想と信仰の核心にふれる言葉を選び,翻訳とラテン語を付すとともに簡にして要をえた解説を与える。
ゲルマン民族の侵入,ローマ帝国の衰退,さらにキリスト教世界の基盤が確立されていないなか多くの異端と対抗しつつ民衆の抱えている困難に向かって発せられた言葉は,行動と思考とのせめぎ合いをとおして紡がれた珠玉の言葉である。
青春期に『告白』と出会って以来,60年以上にわたりアウグスティヌスについて膨大な訳業と研究を積み重ねてきた碩学が,ヨーロッパ文化の源泉であると同時に,現代人の教養の源にもなりうるとして世に送り出す。読者はアウグスティヌスの知恵を味わいつつ彼のラテン語に触れることによりアウグスティヌスの世界に誘われるに違いない。

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