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エラスムスの人間学

キリスト教人文主義の巨匠

エラスムスの人間学
著者 金子 晴勇
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2011/07/25
ISBN 9784862851130
判型・ページ数 菊判・312ページ
定価 本体5,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序論 エラスムスとキリスト教人文主義

第1章 エラスムスの思想的境位――「新しい敬虔」運動とルネサンスの「人間の尊厳」

第2章 青年時代の思想形成

第3章 『エンキリディオン』の研究

第4章 『痴愚神礼讃』の研究

第5章 『対話集』と『キケロ主義者』の研究

第6章 「キリストの哲学」の確立

第7章 神学方法論――『真の神学の方法』の研究

第8章 ルターとの「自由意志」論争

第9章 政治思想と平和論

第10章 エラスムス人間学の問題点と後世への影響

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内容説明

ルネサンス思想を代表するエラスムス(1469-1536年)は『痴愚神礼讃』によってわが国でも広く知られている。
彼はギリシア語聖書のラテン語対訳本や教父全集を出版し,多数の書簡をとおして活動する国際的知識人であり,16世紀初めの四半世紀はエラスムスの世紀と言われるように,ヨーロッパ世界に君臨した。
同時代の人々はエラスムスにおける精神の新しい自由,知識の新しい明瞭性・純粋性・単純性に,さらに合理的で正しい生き方の調和した姿に賞賛を惜しまなかった。また彼は人文主義に見られがちな衝動性や若者の感激性を払拭して成熟した表現を実現した。
アルプス以北の人文主義運動は倫理的・宗教的性格を強め,文芸の復興から新しい神学の形成へと転換し,人文主義は宗教改革と結びつき聖書文献学に結実する。彼は神学者としてキリスト教の復興を最大の使命として最良の作品『エンキリディオン』や『新約聖書序文』を残したが,それは優れた意味で文献学的である。エラスムスは人文主義の方法をキリスト教神学に適用し,両者を統合することにより神学の根本的変革を目指した。この統合過程はペトラルカにはじまりエラスムスにおいて完成するキリスト教的人文主義として結実した。
本書はエラスムスの青春時代の思想形成から古代的教養の結晶ともいえる『格言集』の刊行,新約聖書研究と神学方法論,ルターとの提携と決裂,そして政治思想と平和論など,主要作品に即して人間学の視点からエラスムス思想の全体像を初めて描いた本格的業績である。

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