ホーム > 近代大学の揺籃

近代大学の揺籃

一八世紀ドイツ大学史研究

近代大学の揺籃
著者 別府 昭郎
ジャンル 歴史
教育学
出版年月日 2014/04/15
ISBN 9784862851840
判型・ページ数 A5・316ページ
定価 本体6,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

まえがき
  第Ⅰ部 理論的前提
第1章 問題の設定
第2章 本研究の意義
第3章 ドイツ大学史から見た時代区分
  第Ⅱ部 個別大学史的考察
第1章 ハレ大学の創設――問題の設定
第1節 ハレ大学の創設
第2節 教師のヒエラルキーと教授科目
第3節 教授活動
第4節 18世紀末における教授・員外教授・事務職員の収入
第5節 教授用語と教育方法
第6節 ハレ大学の財政
第7節 プロイセン邦政府による大学行政
第8節 学生数・登録者数・留学生数
結語
第2章 ゲッティンゲン大学の創設
第1節 大学の創設
第2節 教授活動
第3節 財政と大学運営
結語
第3章 ヴィーン大学における講座構成と団体権の喪失
はじめに
第1節 大学に対する批判
第2節 団体としての危機
第3節 教育・研究団体としての危機
結語
第4章 ライプツィヒ大学における意思決定システム・講座構成・講義告知の方法
第1節 意思決定システムと学問領域
第2節 講義目録
第5章 インゴルシュタット(ミュンヘン)大学における官房学の展開
はじめに
第1節 官房学研究所開設に至るまでの官房学教育史
第2節 官房学研究所の開設
第3節 国家経済学科の設置
第4節 国家経済学部への昇格
第6章 ヴィッテンベルク大学における講座構成と教師の個人評価
はじめに――本章の主題と時代区分
第1節 大学教師についての個人評価体制
第2節 大学教師についての個人評価
結語
第7章 ケーニヒスベルク大学における講座構成と国家との関係
問題の設定
第1節 大学教師の種類
第2節 ケーニヒスベルク大学の学部構成と教授科目
第3節 大学内部の運営機関と大学についての監督
結語

  第Ⅲ部 総括的考察
第1章 ドイツにおける大学統廃合――ナポレオン戦争期の事例より
はじめに
第1節 ミヒャエリスの大学論
第2節 ナポレオン戦争時代の大学の移転と統廃合
第3節 大学沈滞の原因と存続策
第2章 18世紀の大学教師
 はじめに
第1節 18世紀の百科事典にみる Professorの内容と教授に求められる資質
第2節 教授の選任方法,身分および社会的出自
第3節 教師の種類および職階制
第4節 正教授の権利および義務
第5節 教授個人についての評価
結語――18世紀における変化の特徴
第3章 学生生活
第1節 学生生活に必要な費用
第2節 角預け(Deposition)の儀式
第3節 大学裁判権とカルツァー
第4節 飲み屋と音楽
第5節 『大学生活の素描』
終章 近代大学とは何か
第1節 大学と教会との関係
第2節 大学と国家との関係
第3節 「大学の自治」
第4節 大学内部における変化
第5節 大学外の要因

あとがき/索引

このページのトップへ

内容説明

ハレ大学(1694年)とゲッティンゲン大学(1737年)の創設は17・18世紀にかけての近代大学の嚆矢であった。それは教会に支えられた宗派大学から領邦国家の管轄下の大学への転換を意味する。12世紀に誕生してからルネサンス,宗教改革を経て,大学は絶対主義国家や啓蒙主義など新しい波を受け,大きな変革に直面した。
本書は18世紀ドイツにおける大学の実態を資料を駆使して分析する。講座構成と学問領域の変化,団体権の喪失,意思決定機構,官房学から国家経済学への展開,さらに教授の資質や個人評価・担当コマ数・給与,ラテン語からドイツ語への教授言語の転換,学生生活と学位や学籍簿への登録費用,大学の移転・統合・廃止の動向など多面的に考察し,近代大学とは何かを明らかにする。
わが国のドイツ大学観はベルリン大学(1810年創設)を中心にイメージされるが,実際はそれ以前に多様な変革を経験し19世紀の大学の基盤が形成されてきた。
わが国の大学も転換期の渦中にあって,18世紀のドイツ大学が直面した課題にも通じる問題を抱えている。本書の示す豊富な知見は有益な示唆を与えるに違いない。

このページのトップへ