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教育史に学ぶ

イギリス教育改革からの提言

教育史に学ぶ
著者 リチャード・オルドリッチ
山﨑 洋子 監訳
木村 裕三
ジャンル 教育学
出版年月日 2009/12/10
ISBN 9784862850713
判型・ページ数 A5・472ページ
定価 本体6,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序 章
出発点/教育史の解釈/教育のポリティクス/教育改革者/カリキュラムと水準/歴史を教えること/教育の周辺

第Ⅰ部 教育史の解釈
第1章 教育史家の三つの責務
序/過去の人々に対する責務/私たち自身の世代に対する責務/真実を探求する責務
第2章 歴史の終焉と教育の始源
序/歴史的展望/歴史の終焉/教育の始源/結論

第Ⅱ部 教育のポリティクス
第3章 ジョン・パキントン卿とニューカッスル委員会
第4章 教育院から教育雇用省へ
序/1900年の教育院/1944年文部省/1995年教育雇用省/省の文化/結論

第Ⅲ部 教育改革者
第5章 教育改革における個人の役割
はじめに/事実と数字/分類/結論
第6章 ジョゼフ・ペイン――批評家かつ改革者
はじめに/女子および女性への教育/男子パブリック・スクール/基礎教育/教員養成
第7章 現代の教育改革者たち
マリー・クレイ(2002年授与)/エリオット・アイスナー(2004年授与)/ベリル・ギルロイ(2000年授与)/チャールズ・ハンディ(1999年授与)/マイケル・マーランド(2002年授与)/松浦晃一郎(2003年授与)/ドナルド・ウッズ(2000年授与)/テッド・ラグ(2002年授与)

第Ⅳ部 カリキュラムと水準
第8章 国家のためのカリキュラム
はじめに/長所と短所/歴史的展望/結論
第9章 教育水準の歴史的展望
はじめに/変化/改正教育令/結論

第Ⅴ部 歴史教育
第10章 新しい歴史科――歴史的展望
はじめに/どれほど新しいか/どれほど歴史的か/教育における歴史の位置/おわりに
第11章 歴史の研究と教育における帝国主義
はじめに/1880年代/1980年代/おわりに

第Ⅵ部 教育の周辺
第12章 遊びを通して学習する
遊びを理解する/ゲームをして遊ぶ/遊ぶ権利/結論
第13章 イングランドにおける徒弟制――歴史的展望
序/中世と初期近代/産業革命/20世紀/結論
第14章 家族史と家族の歴史
はじめに/公的側面――家族の歴史/私的側面――家族史/個人事例――ジョージ・オルドリッチ/結論

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内容説明

ロンドン大学教育学研究所所長として活躍し,イギリス教育史研究の泰斗である著者の広範な業績から厳選された,半世紀におよぶ足跡の集大成である。
著者は19世紀中葉から今日まで,イギリスの公教育や国家教育をめぐる政府,学校,教師に関する歴史事象を多面的に分析,本書はそれらを6部に構成し,Ⅰは教育史事象への理解と教育史家の責務,Ⅱは教育政策と政治力学,Ⅲは教育改革と教育改革者の思想,Ⅳはカリキュラムとその水準,Ⅴは歴史科教育の意義と方法,Ⅵは遊びの学習や教員養成としての徒弟制,家族史研究の可能性,が考察される。
わが国では国家主導で公教育制度が形成されたが,国家の教育保障を左右する「教育における個人と国家の関係」という点でイギリスの教育史とは大きく異なる。日本の教育行政は今世紀に入り教育基本法の改訂をはじめ改正教育職員免許法など歴史的転換を迎えている。本書が扱う学校教育における「公共性」「国家の役割と義務」や「教師と国家・親の関係」「教育と宗教」など,21世紀の日本の教育を方向づける上でも豊かな示唆に富んだものである。
連合王国教育史学会,国際教育史学会会長などを歴任し,国際的な視点に立つ著者のバランスの取れた見識は多くの教育関係者に深い感銘を与えよう。

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