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18世紀イギリスのアカデミズム藝術思想  新刊

ジョシュア・レノルズ卿の『講話集』

18世紀イギリスのアカデミズム藝術思想
著者 ジョシュア・レノルズ
相澤 照明
ジャンル 芸術
出版年月日 2017/03/30
ISBN 9784862852533
判型・ページ数 菊判・360ページ
定価 本体6,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

凡例

王立美術院会員の方々へ

 第1講話 王立美術院創立に際して 1769年1月2日
王立美術院という組織から生じる利点/教授ならびに視察官の考察に資する提言/藝術の諸規則への盲目的な遵守が若い学生に強要されるべきこと/巧みな器用さに引かれる未熟な傾向は抑制されねばならないこと/勤勉さが常に推奨され,(効果的となるには)相応しい対象に向けられるべきこと

 第2講話 授賞式の折に王立美術院の学生に向けて(以下同様) 1769年12月11日
研鑽の課程と順序/藝術の異なる諸段階/模写を数多くすることへの反論/藝術家はいついかなる場所でも藝術制作のための素材を蓄えることに従事せねばならないこと

 第3講話 1770年12月14日
荘重様式の偉大な指導的原理/美について/自然本来の習慣は,流行の習慣から区別されるべきこと

 第4講話 1771年12月10日
一般的観念は,藝術のあらゆる領域,すなわち,創意・表現・彩色・衣文を規制する主要な原理である/歴史画において形成されている二つの異なる様式で――荘重様式と装飾的様式/各々の様式が見出される流派/複合様式は,地方の慣習や習慣もしくは自然の偏った見方に基づいて形成された様式

 第5講話 1772年12月10日
相反する卓越性を結びつけようと努力する際に求められる慎重さ/試みられてはならない,雑多な感情の表現/荘重様式に秀でた人物の例―-ラファエロ,ミケランジェロ/この二人の並外れた人物の相互比較/特徴的様式/この様式の例として言及される,サルヴァトール・ローザ,ならびに,それに対立するカルロ・マラッティ/プッサンとルーベンスの特性の概要/この二人の画家は全く異質であるが,首尾一貫している/この一貫性は,あらゆる藝術の領域において求められる

 第6講話 1774年12月10日
模倣/天才は,規則の終わるところから始まる/創意。他人の創意に交わることによって習得される/模倣の真の方法/借用は,どこまで許容されるのか/あらゆる流派から集められるべきもの

 第7講話 1776年12月10日
実体的な美の基準と同様,趣味の基準の実在性/この不動の真理の他に,変化しうる二次的な真理がある――共に,その安定性もしくは影響力に応じて,藝術家の注意力が求められる

 第8講話 1778年12月10日
詩であれ絵画であれ,藝術の諸原理は精神に根差している――例えば,目新しさや多様性や対比といったものは,過剰になると欠点となる/単純性。その過剰は不快である/規則は,字義通りの意味において遵守されるべきであるとは限らない――法の精神を守るだけで充分である/賞に値する絵画についての考察

 第9講話 サマセット・プレイスの王立美術院の創設に際して1780年10月16日
王立美術院のサマセット・プレイスへの移転について/知的な快を陶冶することから生まれる,社会にとっての利点

 第10講話 授章式の折に王立美術院の学生に向けて(以下同様)1780年12月11日
彫刻,一つの様式しか有しない/その対象,形態,特性/彫刻藝術を改善しようとする近代の彫刻家の無益な試み/彫刻にみられる近代的衣装の弊害

 第11講話 1782年12月10日
天才。その本質は,主として一つの全体の把握に,一般的観念だけを受け入れるところにある

 第12講話 1784年12月10日
さして重要でない特殊な研鑽法/技はほとんど教えることができない/方法への愛好は,怠惰への愛好であることがよくある/即興画家(ピットーリ・インプロビザトーリ)は,不注意で不正確になりがちであり,滅多に独創的でもないし人目をひくこともない/このことは他の巨匠たちの作品を研究しないことから生じる

 第13講話 1786年12月11日
藝術は,模倣であることに加え,想像力の導きのもとにある/詩,絵画,演劇,庭園,建築が,どのように自然から逸脱しているのか

 第14講話 1788年12月10日
ゲインズバラの特性――彼の卓越性と欠点

 第15講話 1790年12月10日
学長は,美術院に暇乞いをする/講話再考/ミケランジェロの作品研究の推奨

解説
訳者あとがき
固有名詞索引

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内容説明

イギリス王立美術院の設立(1769年)に伴い,著名な画家で初代学長のジョシュア・レノルズ卿が毎年行った講話に,詳細な註と解説を付した待望の翻訳である。

王立美術院の目的は,有能な人材によって将来を担う優秀な若者を教育し,優れた美術品の蒐集とそれらを手本とした模倣を通して,美の核心である荘重形式の意味を会得させることであった。自由放任主義や華麗な技術偏重主義に反対し,アカデミズム藝術の本筋を示してその基礎を据え,絵画,彫刻,建築に多大な影響を与えた。

多岐にわたる内容は,美について/模倣の真の方法/藝術は模倣に加え想像力の導きのもとにある/借用はどこまで許容されるか/賞に値する絵画について/歴史画における二つ異なる様式としての荘重様式と装飾様式/創意・表現・彩色・衣文を規制する主要な原理/彫刻には一つの様式しかない/あらゆる流派から集められるべきもの/ラファエロ,ミケランジェロ,この二人の並外れた人物の相互比較/天才は,規則の終わるところから始まる/詩であれ絵画であれ,藝術の諸原理は精神に根差す等々,実践的な提言から人文学的観点での考察,社会的機能,イタリア藝術の伝統にまで至る,豊かな知識と見識に支えられたヨーロッパ藝術思想を知るための古典的文献。

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