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カント哲学試論

カント哲学試論
著者 福谷 茂著
ジャンル 哲学・思想
出版年月日 2009/12/30
ISBN 9784862850737
判型・ページ数 A5・352ページ
定価 本体5,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次


1 形而上学としてのカント哲学
形而上学の不可能性/背面における形而上学/再建された形而上学/カントの現代性

 Ⅱ
2 物自体と『純粋理性批判』の方法
『純粋理性批判』と「方法」の問題/「分析」としての『純粋理性批判』/「全体の理念」の消極面と「物自体」/「全体の理念」の積極面/「一なる可能的経験」
3 理性と超越論的観念性
物自体と理性/無限判断/『純粋理性批判』から『実践理性批判』へ
4 カントの可能性概念
『純粋理性批判』における可能性概念の状況/ヴォルフとバウムガルテンの可能性概念/アンチノミーと可能性概念/新しい可能性概念としての「一なる可能的経験」
5 カントにおける自然神学の終焉とその意義
ハードな合理性としての自然神学/合理性と可能性/可能性概念の転換

 Ⅲ
6 存在論としての「アプリオリな綜合判断」
分析判断と綜合判断/超越論的弁証論と分析判断/汎通的規定性/カント対ライプニッツ/「アプリオリな綜合判断」と「可能的経験」
7 カントにおける自然学と形而上学
カントとコペルニクス/絶対空間/カント空間論の発展/現象から「経験」へ/
8 バークリとカント
ロックにおける「抽象」/バークリの「抽象」批判/「抽象」から「捨象」へ/バークリとカントの接点/カントにおける「捨象」
9 カント哲学における「経験」概念について
カントにとって「不一致対称物」とは何だったか/「不一致対称物」は誰にとって「パラドックス」なのか/鏡像-パラドックスの解決とそれが意味するもの/「可能的経験」の形而上学
10 カントの《Opus postumum》の哲学史的位置について
カント「遺稿」とはなにか/「遺稿」研究史とその批判/『純粋理性批判』と遺稿/「唯一の経験」/forma dat esse rei/別の形而上学へ

 Ⅳ
11 批判哲学としての永遠平和論
「哲学における永遠平和」/「嘘」と公共性/永遠平和論における「国家」/批判哲学としての永遠平和論
12 『純粋理性批判』における歴史の問題
「革命」/「思考法の革命」/アンチノミー新解釈の必要性/アンチノミーの解決の意味/『純粋理性批判』から一般史考へ
13 カント哲学における神
近世哲学における「神」の問題の所在/「超越論的理想」の意味/「超越論的理想」における超越と内在/「経験」と神

 Ⅴ
14 近世哲学とはなにか
形而上学と宗教改革/「第二スコラ哲学」と近世哲学/近世哲学の出発

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内容説明

〈形而上学〉という視点から『純粋理性批判』を総合的に考察,カント哲学の核心に挑む意欲的な試みである。
『純粋理性批判』を一体的でヴェクトルをもった作品として読む独自の方法により,重要概念を吟味するとともにカントのメッセージを形而上学のカテゴリーとの関係から掘り下げ,さらに自然神学批判がカントの世界理解に対してもつ意味を神の存在証明を通して解明する。
次に哲学史との関連で,カントとドイツ講壇哲学やニュートン,バークリ,ライプニッツ,スピノザとの接触が,カント哲学の形成と解明にどのように還元されるかを分析し,また1930年代に全貌を現したカントの『遺稿』はカントがそれまでの哲学史と自身の哲学を結びつける努力であり,「超越論哲学の最高点」と『純粋理性批判』の〈完成〉を目指したものであることを明らかにする。
さらに平和,歴史,神など理論哲学以外のテーマを『純粋理性批判』との連関で捉えることにより,啓蒙主義者カントの背景に形而上学者カントを読み取る。
最後にこれら一連のカント考察の結果,19世紀に確立した既存の近世哲学史にカント哲学が収まらないとして新たな哲学史像を提案,カント哲学の現在を示す。

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