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大グレゴリウス小伝

西欧中世世界の先導者

大グレゴリウス小伝
著者 ピエール・リシェ
岩村 清太
ジャンル 歴史 > ヨーロッパ中世史
出版年月日 2013/07/20
ISBN 9784862851598
判型・ページ数 4-6・212ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次


第一章 古代ローマ人グレゴリウス
六世紀中葉のローマ/教養人グレゴリウス/ローマ市長官/回心
第二章 修道者グレゴリウス
共同体と会則/聖書の読書/完徳という目標/コンスタンティノープル駐在の教皇使節/『ヨブ記倫理的解釈』
第三章 ローマの司教グレゴリウス
嵐のなかで/緊急な諸問題/貧者/ラテラノの再編成/聖書講話/ランゴバルド族による危機
第四章 管区大司教
イタリアにおける教会の荒廃/『司牧規則』/司教の職務/ユダヤ人問題/説教/聖人たちの模範
第五章 西方の総主教グレゴリウス
イタリア北部/アフリカ北部/スペインの教会/ガリアの教会/バルカン地方の教会
第六章 教皇大グレゴリウス
グレゴリウスと東方の総主教/ローマの首位権/教会における多様性
第七章 預言者グレゴリウス
切迫する世界の終末/復活/世界の終末の切望/異端者とユダヤ人/異邦人
第八章 アングロ・サクソン人の改宗
アングル人との出会い/イギリス宣教の諸段階/宣教活動の成功/第二次宣教団の派遣
第九章 ヨーロッパ最初の教皇大グレゴリウス
世界の終末/東方との隔たり/神から祝福された王たち/キリスト教的ヨーロッパの構想/グレゴリウス風の中世
第十章 聖なる人グレゴリウス
法の尊重/苦しみの人/謙遜と寛容/友情の尊重/聖書と祈り
抜粋集(著作からの)
1 教皇大グレゴリウス/2 回心/3 皇帝マウリキウスあての書簡/4 人間とその矛盾/5 回心した罪びとの利点/6 厳しさのなかにも優しさを/7 二通りの生活/8 教会は「曙」と呼ばれる/9 神への希求/10 燃え上がる柴――その種々の意味/11 イギリスにおけるグレゴリウスの司牧/12 『司牧規則』――一部の章の標題/13 世界の終末/14 天国

年譜/訳者あとがき/訳註/索引

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内容説明

「ヨーロッパ最初の教皇大グレゴリウス」と言われるグレゴリウス1世(540頃?604)は,ローマ帝国の混乱と滅亡に際し,帝国に代わって宗教・文化,政治・社会組織としてのローマカトリック教会を展開させ,西欧世界の形成に重大な功績を残したが,今までわが国ではあまり注目されてこなかった。
自分を推薦したビザンツ皇帝の宗教への介入を排除し,皇帝に代わりローマ市民の生活物資を調達し,ローマ防御のためランゴバルド族との休戦交渉を実現した。
西方各地の司教たちの連帯と教会内部の一致と位階性を確立し,宣教活動の活発化とアルプス以北へ救済活動を広げた。ゲルマン族の改宗を図り,イギリスへ宣教団を派遣する。またフランク王国との絆を強め,各地の教会の安定を図ると共に,風俗や慣習を取り入れて典礼を盛んにした。宗教教育のため説教の必要性とその方法を指導して,ゲルマン民族の間にキリスト教とラテン文化を浸透させた歴史的偉業は,現代の西欧社会の基礎を築いたといえよう。

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