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真理と神秘

聖書の黙想―クラウス・リーゼンフーバー小著作集II

真理と神秘
著者 クラウス・リーゼンフーバー
ジャンル 哲学・思想
宗教
シリーズ クラウス・リーゼンフーバー小著作集
出版年月日 2015/09/15
ISBN 9784862852175
判型・ページ数 4-6・544ページ
定価 本体4,600円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序文/聖書略語一覧

〈真理と時間〉
 第一章 真理に従って生きる
一 根本的な意図の再確認
二 光に従う
三 真理を目安に
 第二章 真理に聴く――自由への招き
一 信仰における真理と理解の大切さ
二 真理と意味の連関
三 信仰理解と霊性
四 真理の現れに聴く信頼
 第三章 時間と永遠
一 自己把握と存在理解における時間
二 時間の二重的構造
三 救いの時――イエスの時間観
 第四章 虚しさとの戦い
一 現実のはかなさ
二 聖書における虚無感
三 虚無感への抵抗
四 十字架の神秘
 第五章 微笑の哲学
 第六章 人生を感謝する
一 感謝のうちに働く善さ
二 感謝における超越との関係
三 キリストによる感謝

〈神認識と神への信仰〉
 第七章 神を探し求める
一 探し求める人間
二 神を知り,追い求める
三 イエスを探し求める
 第八章 起源への立ち帰り
一 起源を探し求める
二 起源たる神
三 キリストにおける起源との関係
四 起源に立ち帰るという人間の課題
 第九章 経験的神認識
一 神経験と神認識
二 感覚と存在把握
三 神認識と感覚
四 霊的感覚
 第一〇章 神を知るという冒険
一 知るという課題
二 根源的な認識としての神認識
三 神認識を新たにする必要性
四 神認識における偉大さと有限性
五 神の前の人間の尊厳と謙遜
 第一一章 信じるとは
一 超越に向かう人間
二 超越との潜在的な関係から神との関わりへ
三 人間における言葉の働き
四 信仰に生きる
 第一二章 信仰の喜び
一 新しい創造の喜び
二 喜びへの励まし
三 喜びとつながる賜物
四 喜びの中心
 第一三章 言葉に出会う
一 言葉の多様な働き
二 言葉の本来の誕生
三 言葉を受け入れる人間
四 信仰における言葉の働き
 第一四章 神の力に生きる
一 「力」という概念の問題
二 聖書による神の力
三 人間の力となる神
 第一五章 アーメン―アレルヤ
一 祈りの根源語
二 「アーメン」
三 「アレルヤ」

〈父なる神と子なるイエス〉
 第一六章 「神」から「父」へ
一 神の呼び名の問題
二 「父」とはだれか
三 「父」と呼ぶ意味
四 世界とすべての人の父
 第一七章 子となる
一 自分が何であり,何になりうるか
二 子であることは父から始まる
三 子に向かう父の関わり
四 父に向かう,子の関わり
五 父の内に
六 父のように
七 イエスの兄弟として
 第一八章 福音のために働くイエス
一 働くことの意義を問う
二 神の働き
三 イエスの働き
 第一九章 へりくだりという神の道
一 上昇の道か―へりくだりの道か
二 神における愛への決断
三 へりくだりという愛の実行形態
四 救済史を通しての神の自己規定
五 イエスが開かれた愛の道
 第二〇章 イエスの受難と復活の一致
一 問題の設定
二 イエスの死と復活の不可分性
三 死と復活の意味の照らし合い
四 復活のメッセージ

〈赦しと愛〉
 第二一章 罪の赦しという神体験
一 神認識の本来の所在
二 負い目と赦し
 第二二章 神にならって赦してあげる
一 罪ある人にも赦す能力がある
二 善に基づく赦し
三 神の子となる
四 与えられる赦しを受けるために前提となる態度
五 人間の赦しと神の赦し
六 赦しと共同性
七 赦しの源であるイエス
 第二三章 イエスの内にある隣人愛
一 「自分のように」
二 「イエスのように」
三 イエスによる隣人愛の基礎づけ
四 神における隣人愛の起源
五 人に奉仕する愛の実現
 第二四章 神の愛を考える
一 神理解という課題
二 神の近さ
三 聖書における基盤
四 神に内在する愛
五 人間に対する神の開き
 第二五章 超越に生きる愛
一 神の超越
二 神に向かう人間の自己超越――イエスの道
三 キリストへの愛における自己超越の完成

〈黙想〉
 第二六章 黙想という発見の道
一 困難で魅力的な課題
二 黙想における発見
 第二七章 黙想の意味
一 命の発見
二 人間に具わる黙想する能力
三 探し求めるという根本的な態度
四 心でもって触れる
 第二八章 言葉を種とする黙想
一 黙想と言葉
二 言葉の具体性
三 生きた言葉
四 相手にされる語りかけ
五 意味を理解する過程
六 黙想における認識の動き
七 意義が実現する黙想
 第二九章 黙想の三脚的構造
一 静けさへの傾聴
二 意義の探求
三 根源なる「汝」への関わり

〈祈りをめぐって〉
 第三〇章 神との対話
一 対話のうちに生きる人間
二 神の語りかけ
三 神への呼びかけ
四 神との対話の成立
五 霊によるキリストとの結びつき
六 日常的な対話の諸要素
七 神やキリストとの対話
 第三一章 朝という時
 第三二章 昼間という光の時間
一 光と超越
二 光と意識
三 光への決断
四 生活を導く光
五 お昼という時
六 光と闇の対立
七 永遠なる時の流れ
 第三三章 日が沈む夕方
一 流れる時間の中の時
二 一日の終わりと明日の始まり
三 出会って食事を共にする時間
四 平和が与えられる時
五 愛の奉仕の時
六 迎え入れて友になる
七 独りになって祈る時
 第三四章 夜の隠れた秘密
一 昼と夜から成る時間
二 眠りの時
三 悪の暗闇が迫る時
四 心が探し求める時
五 夢を見る時
六 祈って賛美する時
 第三五章 謙遜と祈り
一 信仰による祈り
二 身体を含めた全人間的な行い
三 覆いと隠れ
四 無知とへりくだり
五 「大地の懐」に
六 謙遜に宿る力
七 神に属する

初出一覧/主要著作一覧/索引

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内容説明

著者は中世哲学研究では多数の著述や編集を手がけ,わが国の学界に多大な貢献をしてきた。本著作集は来日して四十有余年にわたる宗教者としての活動の足跡を集大成したものである。多くの信者と向き合い,参禅体験や西田哲学の探求など日本の文化と社会に深くかかわりながら説教や講話,文筆活動をとおして多くの日本人にキリスト教を伝えてきた。
本巻は「真理と時間」「神認識と神への信仰」「父なる神と子なるイエス」「赦しと愛」「黙想」「祈りをめぐって」など6つの主題を35章にわたり展開する。
ここでは画一化された概念的図式や観念的な思弁を避けて,直接的に確認しうる経験や意識の状態を考察することによって真理認識から神秘に近づくことを試みる。人間の本質をなす世界内性と超越への関わりを分析し,身近なものを通して一なる把握しがたい根源を求め,また,この根源への見通しに導かれて人生の課題を理解する人間精神の二重性を明らかにする。
また自己の心を通して根源的な事柄を熟慮し,自らの精神的基盤を確認しようとする瞑想や黙想に光をあて,個人の精神的自己形成の優れた道を示す。
読者は聖書に寄り添って紡がれる著者の言葉と信仰への情熱に,深い感銘と共感を覚えるに違いない。

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