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思惟の歴史

哲学・神学的小論―クラウス・リーゼンフーバー小著作集Ⅳ

思惟の歴史
著者 クラウス・リーゼンフーバー
ジャンル 哲学・思想
宗教
シリーズ クラウス・リーゼンフーバー小著作集
出版年月日 2015/12/20
ISBN 9784862852212
判型・ページ数 4-6・448ページ
定価 本体4,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

序文/聖書略語

 Ⅰ 古代の思想
1 古代・中世キリスト教思想と学問の成立(講演録)
2 古代キリスト教の教育思想
3 教父思想の歴史的意義
4 砂漠の師父の霊性
5 像(エイコーン)と超越
6 アウグスティヌスの歴史理解
7 アウグスティヌスにおける自然の意味
8 エリウゲナのキリスト教的プラトン主義

 Ⅱ 中世の思想
9 中世における技術の思想的背景
10 自由観の歴史的変遷
11 中世における宗教間対話
12 主体概念の誕生――中世のスコラ学と神秘思想における自己意識の構造
13 トマス・アクィナスの現実観
14 トマス・アクィナスにおけるプラトン主義
15 「個」の認識可能性――トマスとスコトゥスの間に
16 マイスター・エックハルトの神秘思想
17 オッカムにおける概念の問題
18 神認識の可能性と限界――偽ディオニュシオスとクザーヌス
19 クザーヌス哲学の構造を問う

 Ⅲ 現代の思想
20 超越と人格――ブロンデルをめぐって
21 ラーナーの神学的思惟
22 現象学とカトリック思想
23 現象学とスコラ学
24 西田哲学の新たな照らし
25 西田幾多郎『芸術と道徳』(英訳 書評)
26アリストテレスと西田幾多郎における経験の概念
27 経験の構造―-西洋の伝統と西田幾多郎において

 Ⅳ 思惟と超越
28 信じることと考えること
29 思索における出会い――山本信先生に寄せて
30 人間存在の根源としての感謝――渡邊二郎先生に寄せて
31 教育思想史
32 道徳・宗教教育の人間論的基礎づけ
33 形而上学
34 それ自体において/われわれにとって
35 無・否定性・否定的なるもの
36 理性と経験による神認識の道
37 神認識
38 神の存在証明
39 神学と哲学
40 二一世紀の神学
41 現代に神を語る

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内容説明

著者は中世哲学研究では多数の著述や編集を手がけ,わが国の学界に多大な貢献をしてきた。本著作集は日本の文化と社会に深くかかわりながら説教や講話,文筆活動をとおして多くの日本人にキリスト教を伝えてきた,来日して四十有余年にわたる宗教者としての活動の足跡を集大成したものである。

本巻では,思想と哲学の根本的問題を歴史的起源や思想史的発展,現代的意義に関して検討し,思想史の広い視野から,その歴史的背景に照らして展開する。

古代では,教父思想や砂漠の師父の霊性,アウグスティヌスの歴史理解,エリウゲナのキリスト教的プラトン主義など,学問成立期の思想を論じる。

中世では,技術や自由観,自己意識など時代を特徴づける諸論考と,トマスなど多くの思想家の考察を集成。

現代では,カトリック思想やスコラ学を現象学的に受け止めるなど,人間の自己意識の変化に伴う発展的継承に言及,西田幾多郎にも新たな光を照射する。

最後に信仰と思索,思考,教育,理性と経験,神認識など,思惟と超越をテーマとする一連の論考により,未来の希望へと導かれる。

哲学と神学を架橋する豊かな知識と経験に基づく数々の考察は,多くの読者の道標となるであろう。

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