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シェリング講義  新刊 これから出る本

同一哲学の鍵としての「反復的同一性」

シェリング講義

知泉学術叢書41(9月24日予定)

著者 マンフレート・フランク
久保 陽一 監訳
岡崎 秀二郎 監訳
ジャンル 哲学・思想
シリーズ 知泉学術叢書
出版年月日 2025/09/30
ISBN 9784862854476
判型・ページ数 新書・688ページ
定価 本体6,200円+税
在庫 未刊・予約受付中
 

目次

凡例
略号
まえがき

第1講 神学寮時代の「学位論文」とディーツの存在
 シェリングの哲学の学びの始まり
 シェリングのカント受容とディーツが果たした役割
 ラインホルトの基本思想
 ディーツのラインホルト批判

第2講 『形式論』の根元哲学的「学」の企て
 『形式論』の諸前提
 「学の原形式」への要求
 成熟期シェリングに連続する思想の萌芽
 フィヒテ的な三つの根本命題と「不合理な帰結」
 「第三のもの」としての「原形式」

第3講 哲学の最高点と観念論の出発点としての「自己意識」
 ドイツ観念論に共通する確信
 カントの三つの『批判』
 『批判』の著者によるカント主義への抗議
 「判断」を基礎づける「自己意識」の明証性

第4講 『自我論』による知の基礎づけの試み
 根本命題から知的直観へ
 自我の「存在」がもつ両義性
 ヘルダーリンへの接近 1――自我と自己意識
 ヘルダーリンへの接近 2――知的直観

第5講 「自己意識」の認識可能性とカントの「知的直観」批判
 最高原則としての自己意識の位置づけ
 カントにおける知的直観の可能性
 シェリングへの知的直観論の受容

第6講 フィヒテの「非-対象的な自己知」に対するヘルダーリンの疑念
 自己意識の対象的意識への還元不可能性
 反省理論の誤りに対するフィヒテの基礎的洞察
 フィヒテによる前反省的な自己-知の定式化の試み
 フィヒテのジレンマからの脱出

第7講 『知識学の観念論の解明のための諸論文』の「精神」の構造
 「知識学の観念論」と「自然」のモチーフ
 フィヒテからの「自然哲学」の乖離
 『初案』と『体系』における二つの活動
 自己意識に併存する「自然」
 自己意識の「歴史」をともなう精神

第8講 『自然哲学に関する考案』における観念論から有機的自然への移行
 『考案』の成立事情および背景
 自然と精神の根源的同一性
 主観性の観念論への後退
 機械論から有機体へ

第9講 『考案』第二版における自然哲学の同一哲学的展開
 カント的有機体論の受容と批判
 『考案』「序説」における自然と精神の定式
 『考案』「序説」の限界とその克服の模索
 『考案』「補遺」における自然哲学の同一哲学的構造

第10講 『ヴュルツブルク体系』の有機体論と機械論の契機
 カントの「自然目的論」と「理念」
 『ヴュルツブルク体系』の有機体の定式
 有機体における機械論と理念の相互浸透
 同一哲学体系の中の「差異」

第11講 『哲学体系の詳述』のフィヒテとの論争点
 「私の…」という書名の問題
 『叙述』に関するフィヒテとの哲学的論点
 観念論的異議に対するシェリングの反論
 絶対的なものの領域への通路

第12講 『私の哲学体系の叙述』の反復的なポテンツの理論
 絶対的統一からの分離可能性の問題
 ポテンツ論による量的差別の説明
 量的差別と無差別の図式化
 ポテンツ論の背景にある無限なものの自己措定

第13講 『自然哲学に関するアフォリズム』とプルーケの判断論という前提
 同一性思想の前提となる判断論
 「絶対的同一性」という構想の前提 Ⅰ
 プルーケの論理学からの受容 1
 プルーケの論理学からの受容 2
 二重化された同一性

第14講 『諸世界時代』・『啓示の哲学』におけるカントの「存在」テーゼの展開
 「絶対的同一性」という構想の前提 Ⅱ
 第一,第二の論点
 「絶対的同一性」という構想の前提 Ⅲ
 後期判断論の同一性理論に至る道筋
 第三の論点
 第四の論点

編者あとがき
訳者解説
 Ⅰ 本書について
 Ⅱ 「自己意識」論の成立過程(第1-3講)
 Ⅲ 「自己意識」論の展開(第4-6講)
 Ⅳ 自然と精神の同一性(第7-11講)
 Ⅴ 「反復的同一性」に基づく判断論(第12-14講)
参考文献
シェリング主要著作名一覧
訳者紹介
索引

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