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観念と存在

デカルト研究1

観念と存在
著者 村上 勝三
ジャンル 哲学・思想
シリーズ デカルト研究
出版年月日 2004/07/31
ISBN 9784901654364
判型・ページ数 A5・280ページ
定価 本体4,700円+税
在庫 在庫あり
 

内容説明

本書はデカルトにおける「観念」に着目し,トマス・アクィナスからスコトゥス,オッカム,スアレスなどの哲学史的な広がりも含め,幅広い視点から光を当てることにより,「観念」説として展開していくその実相を浮き彫りにするとともに,デカルト哲学では観念と存在がいかなる関係にあるかを徹底的に明らかにする。
デカルトをとおしてひらかれてくる課題は,「私は思う」に条件づけられた一般存在論の構築である。「私の思う」ことが「私のある」ことである地点から,一個の人間の意識にまで至り着く。その地平から,「超越論的転回の失敗」としてデカルト哲学を批判したフッサール現象学の限界を乗り越え,現象学に新たな役割を与えるとともに,己の意識を超える自らが実体でありうる存在論へと到達することが,本研究の狙いである。
これらの考察を通して,本巻に続く『数学・物理学・人間』と『強度の存在論』のデカルト研究三部作と,新しい哲学の試みである『新デカルト的省察』のための理論的基礎が提供された。

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