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杜甫の詩と生活

現代訓読文で読む

杜甫の詩と生活
著者 古川 末喜
ジャンル 東洋学
文学
出版年月日 2014/12/30
ISBN 9784862852014
判型・ページ数 A5・330ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

凡例(現代訓読文について/語注について/平仄・押韻について/テキスト・参考文献について)

第Ⅰ部 成都期
四十七歳に至る
同谷(四十八歳)
成都草堂(四十九歳)
成都草堂(五十歳)
成都,梓州(五十一歳)
梓州,?州(五十二歳)
?州,成都(五十三歳)
第Ⅱ部 ?州期
雲安(五十四歳)
?州の西閣,赤甲(五十五歳)
?州の西閣,赤甲(五十六歳)
?州の?西,東屯(五十六歳)
第Ⅲ部 両湖期
江陵(五十七歳)
湘江(五十八歳)
湘江~岳陽(五十九歳)

あとがき

初出一覧/杜甫関連地図/杜甫生活年表/索引(人名・地名・杜甫作品・事項)

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内容説明

杜甫(712-770)は唐の玄宗皇帝が即位した年に生まれ,理想に近い政治が実現し詩歌の最盛期であった時代に,幸福な幼青年期を過ごした。杜甫の59年に渡る生涯のうち官吏の生活は3年余,初の仕官は44歳であった。
多くの年月を友人,知人を頼って生を繋ぎながら,戦乱を避け生計の道を求めて流浪し,ある時は薬草を売り,ある時は果物や稲作など農業経営に携わり,〈詩聖杜甫〉からは想像もできない実人生を生きた。
従来,そのような日々の喜怒哀楽や,仕官の願いが絶たれた逆境や貧困と闘う杜甫の生活詩が,注目されることは少なかった。分け隔てない人柄から生み出される題材には,旧来の漢詩には無かったテーマや言葉,修辞などが多用され,新しい漢詩への扉が開かれた。
本書は杜甫の生活の中に見られる自然への深い共感,家族や使用人との交流など,自然や人間,社会にたいする慈しみや憤慨といった人間杜甫の素朴で真率な表現を,共感をもって読み解いた著者会心の作品である。
伝統的な文語体の訓読法に対し口語による訓読法という独自の工夫を凝らし,可能なかぎり読みやすくして若い読者が漢詩に親しめるよう試みた。杜甫の詩や句法の特徴,伝記的な背景などを織り込んだ丁寧な解釈は,読者を奥深い漢詩の魅力に誘ってくれるだろう。

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