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コロナ・トリアージ

資料と解説

コロナ・トリアージ
著者 加藤 泰史
ジャンル 哲学・思想 > 倫理
出版年月日 2023/03/15
ISBN 9784862853813
判型・ページ数 菊判・292ページ
在庫 在庫あり
 

目次

編者まえがき(加藤泰史)


第Ⅰ部 トリアージの定義と歴史

第1章 トリアージとは何か(香川知晶)
  1 トリアージの標準的定義
  2 トリアージの始まり――軍事医療におけるトリアージ
  3 トリアージの拡張――大災害時におけるトリアージ
  4 トリアージのインフレーション――院内トリアージ実施料
  5 時間を稼ぐ,そして先着順――原理主義的平等主義

第2章 ドミニク・ジャン・ラレー男爵:軍事手術と外傷治療の創始者(スタブロス・グルジオティス)
  1 トリアージの最初の定義
  2 切断術
  3 腹部の銃創の治療法
  4 外傷に対する心膜穿刺術に初成功
  5 才能ある外科医であるだけでなく,偉大な人物でもある
  参考文献

第3章 救急科におけるトリアージ(チャールズ・C. ヤンシー/マリア・C. オルーク)
  1 定義・序論
  2 アメリカの救急科トリアージ
  3 救急外来緊急度判定支援ツール(ESI)――トリアージ・アルゴリズムの概要
  4 戦場ないし災害時におけるトリアージ
  5 オーストラリアのトリアージ・スケール
  6 カナダのトリアージ・システム
  7 中国の四段階および三区分のトリアージ基準
  8 マンチェスターのトリアージ・システム
  参考文献
  解説(香川知晶)
   1 グルジオティス「ドミニク・ジャン・ラレー男爵:軍事手術と外傷治療の創始者」
   2 ヤンシーとオルーク「救急科におけるトリアージ」


第Ⅱ部 東アジアのトリアージ

第4章 台湾におけるトリアージ制度と課題――重大事故の搬送管理と分流受診の挑戦(鍾 宜錚)
  1 台湾のトリアージ制度
  2 災害トリアージの運用と課題――八仙水上楽園爆発事故の教訓
  3 院内トリアージ制度の運用と課題
  4 パンデミック時のトリアージ運用と課題
  5 おわりに

第5章 韓国のトリアージ――「コロナ19重症患者急増危機状況における医療資源配分の原則,分類システム導入,および重症患者室管理法案」等(曺 永再)
  1 危機急増対応計画
  2 危機急増対応戦略
  3 重症患者の分類
  4 家族および人的支援
  参考文献
  付 「緊急医療に関する法律施行規則」――保健福祉部告示第2015-243号
  訳者解題(水野邦彦)


第Ⅲ部 ヨーロッパのコロナ・トリアージ

第6章 イタリアのコロナ・トリアージ――資源が限定された例外的状況下における集中治療の配分に対する臨床倫理提言(マルコ・ヴェルガノ/グイド・ベルトリーニ/アルベルト・ジャンニーニ/ジョセッペ・R・グリスティーナ/セルジオ・リヴィーニ/ジョヴァンニ・ミストラレッティ/フラビア・ペトリーニ)
  解説(加藤泰史)

第7章 ドイツのコロナ・トリアージ
 第1編 住民保護におけるリスク分析に関する2012年報告書――連邦政府による報告(ドイツ連邦議会)
  前文
  1 本報告書の概要
  2 連邦レベルにおける〔リスク分析の〕実行状況
  3 補論:洪水を例とするレベル横断的リスク管理
  4 州レベルでの実行状況
  5 国際レベルでの同時展開
  6 見通し
   典拠一覧
  7 付録4:リスク分析・住民保護のための結束
   1 〔パンデミックという〕危機/事態の様相の定義
   2 〔パンデミックという〕事態の記述
   3 KRITIS/供給への影響
   4 影響を受ける保護法益
   5 関連する出来事
   6 文献情報
 第2編 コロナ・トリアージ――コロナ危機に直面してイタリアSIAARTIの医師によって発表されたトリアージ提言に関する解説(ヴァイマ・リュッベ)
 第3編 アンゲラ・メルケル首相テレビ演説――2020年3月18日
 第4編 COVID-19-パンデミック状況下での救急医療資源および集中医療資源の分配に関する決定:臨床的-倫理的提言(ドイツ集中治療・救急治療医学会他)
  1 背景
  2 決定に到達するための一般的原則
  3 資源不足の際に〔治療の〕優先順位を決定する手続きと基準
  参考文献
  付図 集中治療資源が十分でない場合の決定到達(へのフローチャート)
 第5編 特別提言「コロナ危機の中の連帯と責任」(ドイツ倫理評議会)
  1 はじめに
  2 この特別提言の目的
  3 意志決定におけるジレンマ状況への対処
  4 正当性の要件と広範な社会のロックダウンの悪影響
 第6編 Covid-19:治療能力が不足した場合の集中治療の開始と継続に関する倫理的提言(トーマス・ハイネマン/インゴ・プロフト/シュテファン・ザーム/エーバーハルト・ショッケンホフ)
  序言――本書を読むためのアドバイス
  第一部:要約と提言
   1 要約
   2 提言
  第二部 決定の状況とその根拠
   1 はじめに
   2 医学的背景
   3 決定が下される状況
   4 倫理的な方向づけ
  解説(加藤泰史)

編者あとがき(加藤泰史)
執筆者・翻訳者紹介
索引

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内容説明

2020年1月にわが国で初めてのコロナ患者が確認され,以来3年以上にわたり私たちの生活と社会,経済,政治は多大な影響を被った。医療の現場では押し寄せる患者に対応できず,多くの死者を出した。
トリアージとは急増する患者に対し医療現場が効果的に適応する戦略的なシステムである。すべての患者を治療できないなかで,重症者から中症者,軽症者をどのように分類し,優先順位をつけながら治療にあたるのか,具体的な方針の実現を目指している。
トリアージは戦時下における軍事医療として開発され,その後,災害医療,救急医療へと拡大してきた。近年では,大震災や噴火,洪水,感染症など様々な事象が地球の環境破壊や都市化,グローバル化,さらに情報化で,世界的に深刻な問題となっている。日常の医療とは違う非常時の医療のあり方について社会や政治はいかに対応するか,世界中でいま問われている。
本書は,まずトリアージの定義と歴史を考察し,次に台湾や韓国の実情を紹介する。さらにイタリアやドイツを中心にコロナ・トリアージに関する多くの医療・医学界の報告や政府の対策が詳しく分析される。
海外の膨大な資料や多様な政策論は,パンデミックをはじめわが国の今後の医療資源と人材育成を考えるうえでも,医療分野だけでなく政府や自治体,そして研究者や産業界の人々にとっても必読の文献となろう。

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